さて、これから年金の請求をしようとお考えの皆様。
みなさんは、インターネットであらゆるところから様々な情報を仕入れ、年金請求の準備
もしくは下調べを進めておられると思います。
「障害者手帳2級があれば障害年金も2級」
「障害年金の請求は意外に簡単」
「働いていたらもらえない」
● 何が本当で何が嘘か分からないという方、また、年金事務所や社労士事務所等に聞
いては違う事を言われ…なんて方もたくさんおられると思います。
皆さん同じ「病名」でも、これまでの『経過』『障害の程度』『医師との関係』次第で年
金がもらえるかどうかが変わってきます。
上の例で言えば、障害者手帳2級を持ってて、障害年金も2級という方はただの偶然です。
請求は簡単だった!という方…残念ですがただのラッキーです。医師の診断書の出来が相
当よかったのだと思われます。
働いていたらもらえない、まぁこれについては2級は無理でしょう。ただ3級はもらえる可
能性は大いにあります。
人それぞれ、状況は全く異なるのであり、何が不支給の理由となるのかは全然違います。
年金請求は1発勝負。間違った認識で何百万円もの年金がもらえなくなってしまいます。
こうした情報に惑わされず、正しく手続きを進めていく事が非常に重要な事なのです。
何らかのご病気を抱えている皆さん。
例えば「うつ病で障害年金が可能性があるかもしれない」と疑問に思い、医師に相
談をする方も少なくないと思います。正しい判断です。聞く事で自身がどの様な状
態なのか分かりますし、医師が協力的な方かどうかもそこで判断することが可能で
す。
しかし、実際に相談しても、もらえるとももらえないとも断言してくれない事が多
いのではないでしょうか?あるいは、「2級もらえると思うよ」等と無責任な事を
言い、実際に3級の決定が下りても「絶対おかしいよね。」で済ませるという方も
多い様です。
障害年金の診断書は、書きなれていない医師が書くと認定に不利となることもあり
ます。また、書くのに時間がかかるくせに5千円~1万円の売り上げにしかなりま
せん。一般的な金銭感覚をお持ちでない医師にとっては消極的になっても仕方がな
いのです。
ケースワーカー
ケースワーカーの中でも障害者福祉に詳しい方がおられますが、その殆どが障害者
施設への入所相談や在宅サービスの利用、福祉医療や車椅子等の給付に関する仕事
が殆どで、障害年金について詳しいという訳ではありません。
ソーシャルワーカー
精神病院の相談員であれば、かなり障害年金に詳しい人もおられる様です。
ただ、総合病院(大学病院)の様なところでは、精神だけでなく様々な病気や障害を
お持ちの方が利用されておられますので、障害年金についての知識がどうしても幅
広く浅くなってしまいます。
正直、何故病院にこの様な方がおられるかというと、一つは医療費の滞納をさせな
い為と考えた方がいいでしょう。複雑で時間もかかり、かつ、もらえるかもらえな
いかはっきりしない様な障害年金より生活保護に詳しい方が、医療費の滞納を減ら
せますので、障害年金について詳しい方は近年少なくなってきている様です。
● ここまでお読みいただいた方は大体お分かりいただけると思いますが、障害年金
の請求は、年金事務所やケースワーカー、たとえ医師の発言であっても鵜呑みにす
るのは危険です。
5分診療、1ヶ月に1回程度しか通院しない病院の医師がどうしてあなたの日常生活
の様子を把握できるのでしょう。ほぼ推測で診断書を作成されてしまうという現実
があります。
障害年金の受給権を獲得するには、医師とあなたの信頼協力関係、そしてそれをサ
ポートする我々とあなたの信頼協力関係が必要不可欠なものとなります。
それぞれ役割があるのですから、医師に丸投げ、社労士に丸投げでは得られるもの
も得られません。年金を請求するにあたって、この事を事前によく理解しておく必
要がある様です。